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2009−2010 Ski Jumping トピックス




[FISワールドカップスキージャンプ リザルト]


[2010 バンクーバー冬季オリンピック リザルト]


[2010 世界スキーフライング選手権 リザルト]


[FISグランプリスキージャンプ リザルト]



■世界スキーフライング選手権 プラニツァ大会■2010年3月24日更新
 毎年シーズン最後に行われるのが恒例となった、プラニツァのフライングヒル。 今年は世界スキーフライング選手権と位置づけられ、ワールドカップの成績対象からは外されました。 オリンピック以降無敵の強さを誇るシモン・アマン(SUI)がフライングヒルでどのような飛躍を見せるか、日本チームではシーズン中盤以降ずっと好調を維持してきている葛西紀明(土屋ホーム)がヨーロッパの強豪選手相手にどれだけ健闘できるかなど、見所の多い大会です。 日本勢は 伊東大貴(雪印乳業)/葛西紀明(土屋ホーム)/栃本翔平(雪印乳業)/竹内択(北野建設) の4名が参加しました。

●3月19〜20日 プラニツァ(スロヴェニア) 個人戦 フライングヒル HS215 / K185 [リザルト]
 二日間で4本飛んでその合計得点を競う個人戦。 両日とも天気は晴れ、1日目は気温8.5〜7.6℃、雪温-4.6〜-5.0℃、風速-1.44〜0.60m/s。 2日目は気温7.7〜8.6℃、雪温-8.3〜-8.2℃、風速0.16〜1.94m/sでした。 気温がかなり高く、春の陽気だったようです。 風の条件の変化はあったようですが、公式記録を見ると、ポイント補正が行われたのはスタートゲートの設定のみで、風については行われていません。
 優勝は、やはりシモン・アマン(SUI)。 215.5m、216.5m、227.0m、236.5mと4本ともヒルサイズを越えるジャンプを見せて、今シーズンの有終の美を飾りました。 2位はグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)、3位はアンデルス・ヤコブセン(NOR)でした。
 日本勢は公式練習でパーソナルベストタイ記録を出していた葛西紀明(土屋ホーム)が健闘、215.5m、209.5m、220.5m、224.0mといずれも200mを越えるジャンプで12位に食い込みました。 224.0mは日本人選手のフライングヒル最長記録となります。 以下、伊東大貴(雪印乳業)が20位、竹内択(北野建設)が34位でした。 栃本翔平(雪印乳業)は公式練習で転倒して負傷したため、予選を棄権しました。

●3月21日 プラニツァ(スロヴェニア) 団体戦 フライングヒル HS215 / K185 [リザルト]
 団体戦は4名が2本ずつ飛んで総合得点を競います。 日本チームは栃本が負傷したためメンバー4名が揃わず、団体戦にエントリーしませんでした。 天候は曇り、気温は7.4〜8.7℃、雪温は-7.5〜-6.6℃、風速は-1.19〜0.77m/sでした。
優勝はオーストリア(ロイツル/モルゲンシュテルン/コッホ/シュリーレンツァウァー)。 今シーズンのチーム力の強さがここでも発揮された形です。 2位はノルウェー(ヤコブセン/バルダル/エヴェンセン/ルメレン)、3位はフィンランド(ハッポネン/ムオトカ/ハウタマキ/オッリ)でした。

 [ワールドカップジャンプ全日程]


■FISワールドカップスキージャンプ 総合成績■2010年3月24日更新
 2009−2010FISワールドカップスキージャンプの個人総合成績は以下の通りです。
 1. Simon Ammann (SUI)               1649
 2. Gregor Schlierenzauer (AUT)      1368
 3. Thomas Morgenstern (AUT)          944
 4. Andreas Kofler (AUT)              893
 5. Adam Malysz (POL)                 842
 6. Wolfgang Loitzl (AUT)             760
 7. Anders Jacobsen (NOR)             557
 8. Martin Koch (AUT)                 545
 9. Bjoern Einar Romoeren (NOR)       517
10. Robert Kranjec (SLO)              503
11. Janne Ahonen (FIN)                494
12. Michael Uhrmann (GER)             424
13. David Zauner (AUT)                403
14. Harri Olli (FIN)                  367
15. Emmanuel Chedal (FRA)             365
16. 伊東大貴 (雪印乳業)               359
17. 葛西紀明 (土屋ホーム)             344
18. Johan Remen Evensen (NOR)         337
19. Pascal Bodmer (GER)               336
20. Michael Neumayer (GER)            285
21. Andreas Wank (GER)                259
22. Jakub Janda (CZE)                 256
23. Antonin Hajek (CZE)               230
24. Kamil Stoch (POL)                 203
25. Stefan Thurnbichler (AUT)         201
26. Tom Hilde (NOR)                   180
27. Matti Hautamaeki (FIN)            154
28. Dimitry Vassiliev (RUS)           151
29. Martin Schmitt (GER)              150
30. Roar Ljoekelsoey (NOR)            140
32. 栃本翔平 (雪印乳業)               124
38. 湯本史寿 (東京美装)                84
54. Janne Happonen (FIN)               54
54. 竹内拓 (北野建設)                  54
66. 坂野幸夫 (雪印乳業)                17
71. Jurij Tepes (SLO)                  10
71. 作山憲斗 (北野建設)                10
73. 吉岡和也 (土屋ホーム)               9
75. 渡瀬雄太 (雪印乳業)                 9
82. 東輝 (日本空調サービス)             2
82. 岡部孝信 (雪印乳業)                 2

 国別成績は以下の通りです。
 1. Austria                          6858
 2. Norway                           3117
 3. Germany                          2884
 4. Finland                          2093
 5. Switzerland                      1910
 6. Poland                           1806
 7. Slovenia                         1504
 8. Japan                            1412
 9. Czech Republic                    981
10. France                            524
11. Russian Federation                470
12. Italy                             158
13. Ukraine                            13
14. Kazakhstan                          4
15. Korea                               2

 [ワールドカップジャンプ全日程]


■FISワールドカップスキージャンプ ノルディックトーナメント■2010年3月24日更新
 オリンピックが終わり、ワールドカップが3月から再開されました。 フィンランドとノルウェーの4カ所を転戦するノルディックトーナメントの開幕です。 緒戦のラハティ大会では団体戦も行われますが、団体戦のみノルディックトーナメントの成績対象からは除外されています。 日本チームは、オリンピックの代表だった5名に 湯本史寿(東京美装)を加えた6名で臨みました。 またこれらの試合では、風の条件とスタートゲート変更によるポイント補正が導入されました。

●3月6日 ラハティ(フィンランド) 第24戦 ラージヒル団体 HS130 / K116 [リザルト]
 初戦の団体戦は荒天のため1stラウンドの結果のみで順位が確定しました。 FISの記録では、天候は曇り、気温は-6.0℃、雪温は-5.2℃、風速は-0.70〜1.85m/sとなっています。
 優勝したのはノルウェー(バルダル/ヨケルソイ/ヒルデ/ヤコブセン)、2位はオーストリア(ロイツル/コッホ/コフラー/モルゲンシュテルン)、3位はドイツ(ウアマン/シュミット/ヴァンク/ノイマイヤー)でした。 日本は 伊東/湯本/栃本/葛西 のオーダーで臨み、6位に終わりました。

●3月7日 ラハティ(フィンランド) 第25戦 ラージヒル HS130 / K116 [リザルト]
 ラハティ大会二日目は個人戦。 この日の天候は晴れ、気温は-5.2℃、雪温は-7.4℃、風速は-0.42〜0.40m/sでした。
 優勝したのはシモン・アマン(SUI)。 128.0mと131.0mを飛び、首位を維持したままの完勝でした。 2位はアダム・マリシュ(POL)、3位はトマス・モルゲンシュテルン(AUT)でした。
 日本勢は、葛西紀明(土屋ホーム)が119.0mと121.5mを飛んで11位に入ったのが最高。 以下、伊東大貴(雪印乳業)が13位、湯本史寿(東京美装)が24位でした。 43位の栃本翔平(雪印乳業)と49位の竹内択(北野建設)は2ndラウンドに進むことができませんでした。

●3月9日 クォピオ(フィンランド) 第26戦 ラージヒル HS127 / K120 [リザルト]
 ナイトゲームで行われたクォピオ大会。 この日の天候は快晴、気温は-5.0〜-6.0℃、雪温は-9.6〜-11.0℃、風速は-0.21〜1.71m/sでした。
 優勝したのはシモン・アマン(SUI)。 128.5mと126.0mを飛んでこの日も圧勝でした。 2位はアダム・マリシュ(POL)、3位はアンデルス・ヤコブセン(NOR)でした。
 日本勢は葛西紀明(土屋ホーム)が111.5mと113.0mを飛んで16位に入ったのが最高でしたが、その他の選手は2ndラウンドに進めませんでした。 伊東大貴(雪印乳業)は35位、竹内択(北野建設)は39位、栃本翔平(雪印乳業)は42位、湯本史寿(東京美装)は43位、岡部孝信(雪印乳業)は45位でした。

●3月12日 リレハンメル(ノルウェー) 第27戦 ラージヒル HS138 / K123 [リザルト]
 ノルディックトーナメント後半戦はノルウェーが舞台です。 この日の天候は曇り、気温は3.0〜2.7℃、雪温は-12.0℃、風速は-0.84〜1.01m/sでした。
 優勝したのはこの日もシモン・アマン(SUI)。 135.0mと133.5mを飛んで余裕の勝利です。 2位はグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)、3位はアダム・マリシュ(POL)でした。
 日本勢は葛西紀明(土屋ホーム)が123.5mと129.5mを飛んで9位に入る健闘。 伊東大貴(雪印乳業)は24位でした。 39位の栃本翔平(雪印乳業)と47位の竹内択(北野建設)は2ndラウンドに進むことができませんでした。

●3月14日 オスロ(ノルウェー) 第28戦 ラージヒル HS134 / K120 [リザルト]
 ノルディックトーナメントの最終戦はオスロ、ホルメンコーレンのラージヒル。 大改修を行って、全く新しいプロフィールに生まれ変わりました。 HS134mは大倉山とほぼ同じ規模になりますね。
 この日の天候は曇り、気温は2.0℃、雪温は-10.0℃、風速は-0.17〜2.08m/sでした。 今シーズンのワールドカップはこの試合が最終戦となります。
 優勝したのはまたもやシモン・アマン(SUI)。 これで今シーズンのワールドカップは9勝目となり、個人総合優勝を決めました。 2位はアダム・マリシュ(POL)、3位はアンドレアス・コフラー(AUT)でした。
 日本勢は葛西紀明(土屋ホーム)が122.5mと126.5mを飛んで19位に入ったのが最高。 伊東大貴(雪印乳業)は23位でした。 33位の湯本史寿(東京美装)と48位の竹内択(北野建設)は2ndラウンドに進むことができませんでした。

 ノルディックトーナメントの総合成績は以下の通りです。
 1. Simon Ammann (SUI)               1077.6
 2. Adam Malysz (POL)                1033.0
 3. Thomas Morgenstern (AUT)          990.4
 4. Gregor Schlierenzauer (AUT)       969.0
 5. David Zauner (AUT)                965.5
 6. Andreas Kofler (AUT)              955.8
 7. Wolfgang Loitzl (AUT)             924.2
 8. 葛西紀明 (土屋ホーム)             891.9
 9. Emmanuel Chedal (FRA)             891.7
10. Peter Prevc (SLO)                 880.7
11. Harri Olli (FIN)                  879.1
12. Robert Kranjec (SLO)              869.3
13. Jakub Janda (CZE)                 866.1
14. Martin Koch (AUT)                 862.8
15. Kamil Stoch (POL)                 861.3
19. 伊東大貴 (雪印乳業)               743.1
37. 湯本史寿 (東京美装)               388.1
46. 竹内拓 (北野建設)                 294.4
48. 栃本翔平 (雪印乳業)               243.5
63. 岡部孝信 (雪印乳業)                62.7


 [ワールドカップジャンプ全日程]


■バンクーバー冬季オリンピック■2010年2月8日更新
 少々遅くなりましたが、バンクーバー冬季オリンピックのスキージャンプ競技の結果をまとめておきます。 会場となるのは、バンクーバー郊外のウィスラーオリンピックパークにあるシャンツェ。 昨シーズンのワールドカップでプレ大会も行われています。 日本チームは 伊東大貴(雪印乳業)/葛西紀明(土屋ホーム)/栃本翔平(雪印乳業)/竹内択(北野建設)/岡部孝信(雪印乳業) の5名で臨みます。 本番前の公式練習の結果から4名の参加選手を選考しましたが、腰痛と調整不足が伝えられていた岡部孝信は3試合とも選に漏れ、結局今大会では本番の舞台に立つことができませんでした。

●2月13日 ウィスラーオリンピックパーク ノーマルヒル HS106 / K95 [リザルト]
 オリンピック全競技中、最初の決勝種目となったノーマルヒル。 この日の天候は曇り。 気温は1.8〜1.9℃、雪温は-5.0℃、風速は-0.50〜0.01m/sでした。 シャンツェの形状によるものか、サッツのタイミングが合わずに苦労する選手が多く見受けられました。
 優勝したのは公式練習と予選から圧倒的な強さを見せていたシモン・アマン(SUI)。 1stラウンドで105.0mを飛んでトップに立ち、2ndラウンドでも108.0mまで飛距離を伸ばして圧勝しました。 2位はアマンと同様にこのオリンピックに向けて完璧に調子を合わせてきたアダム・マリシュ(POL)。 3位は1stラウンドの7位から大きく順位を上げた実力者グレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)でした。
 日本勢は4名とも予選を通過しましたが、決勝では全般的に奮わず。 伊東大貴(雪印乳業)が100.5mと100.0mを飛んで15位に入ったのが最高で、葛西紀明(土屋ホーム)も17位に食い込みましたが、入賞圏内に手が届きませんでした。 竹内択(北野建設)は34位、栃本翔平(雪印乳業)は37位で、この両名は2ndラウンドに進むことができませんでした。

●2月20日 ウィスラーオリンピックパーク ラージヒル HS140 / K125 [リザルト]
 この日の天候は晴れ。 気温は9.4〜9.5℃、雪温は-5.0℃、風速は-0.26〜1.71m/s。 気温が相当に高いですね。
 ラージヒルでもシモン・アマン(SUI)の突出した強さが光りました。 1stラウンドで144.0mを飛んでトップに立ち、2ndラウンドでも138.0mを飛んで逃げ切り、今大会の個人戦2連覇です。 ソルトレイクシティ冬季五輪とあわせて、彼自身4個目の金メダルとなります。 2位は137.0mと133.5mを飛んだアダム・マリシュ(POL)、3位はグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)と、表彰台の顔ぶれがノーマルヒルと同じになりました。
 日本勢は葛西紀明(土屋ホーム)が1stラウンドで121.5m、2ndラウンドでは大きく順位を上げる135.0mのジャンプを見せて8位に入賞しました。 伊東大貴(雪印乳業)は117.0mと128.5mで20位でした。 竹内択(北野建設)は37位、栃本翔平(雪印乳業)は45位で、この両名は2ndラウンドに進むことができませんでした。

●2月22日 ウィスラーオリンピックパーク ラージヒル団体 HS140 / K125 [リザルト]
 この日の天候は晴れ。 気温は5.9〜7.0℃、雪温は-5.0℃、風速は-0.61〜0.60m/s。 個人戦を制覇したシモン・アマンを擁するスイスはこの団体戦に出場しなかったので、カンテスピードは個人戦よりも若干速められました。
 優勝はオーストリア(ロイツル/コフラー/モルゲンシュテルン/シュリーレンツァウァー)。 4人8本のジャンプのうち、6本はグループトップのポイントで、ワールドカップでも断トツのチーム力を見せるオーストリアならではの圧倒的な勝利でした。 2位はドイツ(ノイマイヤー/ヴァンク/シュミット/ウアマン)、3位はノルウェー(バーダル/ヒルデ/エヴェンセン/ヤコブセン)でした。 日本チームは 伊東大貴/竹内択/栃本翔平/葛西紀明 のオーダーで臨み、5位でした。

 個人戦はシモン・アマン(SUI)の強さがあまりに圧倒的で、アマンに合わせたゲート設定のためにカンテスピードはより低速になり、他の選手は苦しい試合を強いられました。 ノーマルヒルもラージヒルもメダルを取った選手の顔ぶれと順位が全く同じで、この3名の実力が他の選手と比べて完全に頭一つ抜けていた印象があります。
 日本勢はメダルに届かず、個人戦では葛西紀明(土屋ホーム)の8位入賞が最高、団体戦では5位入賞という成績に終わりました。 直前までのワールドカップの状況から考えて、この成績は至極順当なものだと考えることもできますが、個人戦では2ndラウンドに進むことができたのが2名だけというのが非常に残念です。 前年の世界選手権の団体戦では銅メダルを獲得しているのですから、それと比べると、今シーズンのオリンピックに向けての調整がうまく進まなかった選手が多すぎたということになるでしょうか。 葛西や伊東が上位選手と遜色ないジャンプを何本か見せていたのは、高く評価したいところです。

 オリンピックが終わると、3月からワールドカップが再開されます。

 [ワールドカップジャンプ全日程]


■FISワールドカップスキージャンプ ヴィリンゲン大会■2010年2月8日更新
 ドイツシリーズの最終戦はヴィリンゲン大会。 HS145の特大のラージヒルで個人戦と団体戦を行いました。 この試合がオリンピック前最後のワールドカップ公式戦となります。

●2月6日 ヴィリンゲン(ドイツ) 第22戦 ラージヒル HS145 / K130 [リザルト]
 緒戦は個人戦。 この日の天候は曇りで、霧が出ていた模様。 気温は2.4〜1.7℃、雪温は-8.3℃、風速は-0.24〜1.19m/sでした。
 優勝したのはグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)。 1stラウンドで142.5mを飛んでトップに立ち、2ndラウンドでも137.5mと上手くまとめて、これが今季8勝目になります。 2位はアンデルス・ヤコブセン(NOR)。3位はミヒャエル・ノイマイヤー(GER)でした。
 日本勢は湯本史寿(東京美装)が133.5mと127.5mを飛んで17位に入ったのが最高。 吉岡和也(土屋ホーム)は34位、東輝(日本空調サービス)は35位、渡瀬雄太(雪印乳業)は44位でした。

●2月7日 ヴィリンゲン(ドイツ) 第23戦 ラージヒル団体 HS145 / K130 [リザルト]
 2日目の団体戦。 オリンピックの団体戦を見据えてメンバーをどのように組み立てるか、チームごとに異なるその方針をメンバーから読み取るのが面白い試合となりました。 オリンピック代表選手を温存したチームは、成績も今ひとつというところでしょう。
 この日の天候は曇りから後に快晴。 気温は-0.9〜-0.6℃、雪温は-10.2℃、風速は-0.40〜1.21m/sでした。
 優勝したのは地元ドイツチーム(ノイマイヤー/ボドマー/シュミット/ウアマン)。 日本と同様に世代交代に苦労しているドイツですが、この試合はベテラン勢の安定感と若手の勢いが噛み合った感じです。 2位はノルウェー(エヴェンセン/ヒルデ/ヤコブセン/ルメレン)、3位はオーストリア(シャベライター/ハイベック/トゥルンビヒラー/ザウナー)でした。 オーストリアは代表選手を一切出さずに温存したようですね。
 日本チームは 渡瀬/東/吉岡/湯本 のオーダーで臨み、6位に終わりました。 オーベルシュトドルフの団体戦8位からは順位を上げた形ですが、オリンピック代表選手を温存しているとはいえ、上位チームとの埋めがたい差が気になります。

 ヴィリンゲン大会を終えて個人総合成績は、シモン・アマン(SUI)(1249)が1位、2位はグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)(1192)、3位はトマス・モルゲンシュテルン(AUT)(749)です。 日本人選手は、伊東大貴(雪印乳業)(324)が14位、葛西紀明(土屋ホーム)(264)が18位、栃本翔平(雪印乳業)(124)が29位、湯本史寿(東京美装)(77)が36位、竹内択(北野建設)(54)が44位タイ、坂野幸夫(雪印乳業)(17)が65位、作山憲斗(北野建設)(10)が71位タイ、吉岡和也(土屋ホーム)(9)が73位、渡瀬雄太(雪印乳業)(7)が75位、東輝(日本空調サービス)(2)と岡部孝信(雪印乳業)(2)が82位タイとなりました。
 国別成績は、オーストリア(5550)が1位、ドイツ(2457)が2位、ノルウェー(2407)が3位。 日本(1140)は8位です。

 この大会を持ってワールドカップは一時中断し、次はいよいよバンクーバー冬季オリンピックを迎えます。 ワールドカップは3月にフィンランド・ラハティ大会から再開されます。

 [ワールドカップジャンプ全日程]


■FISワールドカップスキージャンプ クリンゲンタール大会■2010年2月8日更新
 ドイツシリーズの3試合目はクリンゲンタールのラージヒルです。

●2月3日 クリンゲンタール(ドイツ) 第21戦 ラージヒル HS140 / K125 [リザルト]
 この日の天候は曇り。気温は-1.8〜-2.1℃、雪温は-5.0℃、風速は-0.95〜1.6.m/sでした。
 優勝はシモン・アマン(SUI)。1stラウンドで133.0m、2ndラウンドでは134.0mを飛んで、今季5勝目を挙げました。 2位はアダム・マリシュ(POL)、3位はグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)でした。
 日本勢は湯本史寿(東京美装)が119.5mと124.0mを飛んで12位に入ったのが最高。 以下、東輝(日本空調サービス)が29位、渡瀬雄太(雪印乳業)が39位、吉岡和也(土屋ホーム)が45位、遠藤秀治(清光社スキークラブ)が50位でした。


■国内公式戦(2009年12月〜2010年1月)■2010年2月8日更新
 遅れに遅れていた国内公式戦をまとめておきます。 上位選手のリザルトのみ載せておきます。

●12月19日 第40回ピヤシリジャンプ大会兼第47回北海道新聞社杯ジャンプ大会
名寄ピヤシリシャンツェ ノーマルヒル HS100 / K90

 【成年】1位:東輝(日本空調サービス)258.5(96.5m/100.5m)/2位:小山内佳彦(東京美装)/3位:山田大起(長野市スキークラブ)
 【少年】1位:成田祐介(下川商業高)/【女子】1位:葛西賀子(日本空調サービス)

●12月20日 第25回吉田杯ジャンプ大会
名寄ピヤシリシャンツェ ノーマルヒル HS100 / K90

 【成年】1位:吉岡和也(土屋ホーム)228.0(91.0m/90.5m)/2位:東輝(日本空調サービス)/3位:作山憲斗(北野建設)
 【少年】1位:佐藤幸椰(札幌ジャンプ少年団)/【女子】1位:葛西賀子(日本空調サービス)

●1月3日 第51回雪印杯全日本ジャンプ大会
宮の森ジャンプ競技場 ノーマルヒル HS100 / K90

 【成年】1位:渡瀬雄太(雪印乳業)252.5(95.0m/95.5m)/2位:吉岡和也(土屋ホーム)/3位:岡部孝信(雪印乳業)
 【少年】1位:小林潤志郎(岩手盛岡中央高)/【ジュニア】1位:佐藤幸椰(石狩花川北中)/【女子】1位:渡瀬あゆみ(神戸クリニック)

●1月8日 第38回札幌オリンピック記念国際スキージャンプ競技大会
宮の森ジャンプ競技場 ノーマルヒル HS100 / K90

 1位:アンデルス・バルダル(NOR)241.5(92.0m/94.0m)/2位:マシジュ・コト(POL)/3位:岡部孝信(雪印乳業)・ユリアン・ムジオル(GER)

●1月9日 第37回HTBカップ国際スキージャンプ競技大会
大倉山ジャンプ競技場 ラージヒル HS134 / K120

 1位:葛西紀明(土屋ホーム)289.3(139.5m/131.5m)/2位:伊東大貴(雪印乳業)/3位:栃本翔平(雪印乳業)

●1月10日 第49回STVカップ国際スキージャンプ競技大会
大倉山ジャンプ競技場 ラージヒル HS134 / K120

 1位:葛西紀明(土屋ホーム)295.5(134.5m/143.0m)/2位:伊東大貴(雪印乳業)/3位:岡部孝信(雪印乳業)

●1月11日 第回HBCカップジャンプ競技会
大倉山ジャンプ競技場 ラージヒル HS134 / K120

 【男子】1位:伊東大貴(雪印乳業)115.6/2位:葛西紀明(土屋ホーム)/3位:岡部孝信(雪印乳業)/4位:竹内択(北野建設)
 【女子】1位:渡瀬あゆみ(神戸クリニック)/2位:葛西賀子(日本空調サービス)

●1月23日 札幌スキー連盟会長杯兼第21回TVh杯ジャンプ大会
大倉山ジャンプ競技場 ラージヒル HS134 / K120

 【男子】1位:湯本史寿(東京美装)271.4(132.5m/130.5m)/2位:葛西紀明(土屋ホーム)/3位:伊東大貴(雪印乳業)
 【女子】1位:渡瀬あゆみ(神戸クリニック)

●1月24日 第22回UHB杯ジャンプ大会
大倉山ジャンプ競技場 ラージヒル HS134 / K120

 【男子】1位:葛西紀明(土屋ホーム)279.3(130.0m/136.0m)/2位:伊東大貴(雪印乳業)/3位:東輝(日本空調サービス)
 【女子】1位:渡瀬あゆみ(神戸クリニック)

●1月30日 第88回全日本スキー選手権大会・ジャンプ競技・種目ノーマルヒル
大倉山ジャンプ競技場 ラージヒル HS134 / K120

 【男子】1位:竹内択(北野建設)220.5(97.5m/81.0m)/2位:葛西紀明(土屋ホーム)/3位:伊東大貴(雪印乳業)
 【女子】1位:金井理恵子(北野建設)

●1月31日 第88回全日本スキー選手権大会・ジャンプ競技・種目ラージヒル兼第51回NHK杯ジャンプ大会
大倉山ジャンプ競技場 ラージヒル HS134 / K120

 【男子】1位:葛西紀明(土屋ホーム)221.6(109.5m/127.5m)/2位:伊東大貴(雪印乳業)/3位:竹内択(北野建設)
 【女子】1位:渡瀬あゆみ(神戸クリニック)


■FISワールドカップスキージャンプ オーベルシュトドルフ大会■2010年2月2日更新
 ワールドカップはいよいよオリンピック開催直前のドイツシリーズに入ります。 オーベルシュトドルフのフライングヒルで2試合、クリンゲンタールのラージヒルで1試合、ヴィリンゲンのラージヒルで2試合の合計5試合が予定されています。 日本チームはオリンピック代表選手を国内調整で温存し、代表から漏れた以下の5名の選手を派遣しました。

湯本史寿(東京美装)/東輝(日本空調サービス)/渡瀬雄太(雪印乳業)/遠藤秀治(清光社スキークラブ)/吉岡和也(土屋ホーム)

●1月30日 オーベルシュトドルフ(ドイツ) 第19戦 フライングヒル団体 HS213 / K185 [リザルト]
 初日はフライングヒルの団体戦です。 9チームが参加して行われました。 この日の天候は雪。気温は-4.0〜-4.5℃、雪温は-3.0〜-3.5℃、風速は-0.11〜1.47m/sです。
 優勝したのはオーストリア(コッホ/コフラー/ロイツル/シュリーレンツァウァー)。 ワールドカップの国別成績でも圧倒的な強さを誇るオーストリアですが、この試合の優勝も順当な結果でしょう。 2位はノルウェー(エヴェンセン/ヒルデ/ヤコブセン/ルメレン)、3位はフィンランド(ハウタマキ/ケイツリ/アホネン/オッリ)でした。 日本は 遠藤/東/吉岡/渡瀬 のオーダーで臨み、8位に終わりました。

●1月31日 オーベルシュトドルフ(ドイツ) 第20戦 フライングヒル HS213 / K185 [リザルト]
 二日目は個人戦。 この日の天候は曇り、気温はかなり冷え込んで-12.0〜-15.0℃、雪温は-15.0〜-20.0℃、風速は0.53〜1.99m/sでした。
 優勝したのはアンデルス・ヤコブセン(NOR)。 213.5mと210.0mを飛んで今季初勝利です。 2位はロベルト・クラニェチ(SLO)、3位はヨハン・レメン・エヴェンセン(NOR)でした。
 日本勢は予選を通過したのがわずか2名。 そのうち吉岡和也(土屋ホーム)が辛うじて30位に入ったのが最高で、続いて渡瀬雄太(雪印乳業)が38位に終わりました。

 オーベルシュトドルフ大会を終えて個人総合成績は、シモン・アマン(SUI)(1149)が1位、2位はグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)(1032)、3位はトマス・モルゲンシュテルン(AUT)(699)となりました。 日本人選手はオリンピック代表組が参加していないのでポイントの加算無し。 伊東大貴(雪印乳業)(324)が12位、葛西紀明(土屋ホーム)(264)が17位、栃本翔平(雪印乳業)(124)が27位、竹内択(北野建設)(54)が41位タイ、湯本史寿(東京美装)(41)が46位、坂野幸夫(雪印乳業)(17)が62位、作山憲斗(北野建設)(10)が67位タイ、吉岡和也(土屋ホーム)(9)が71位、渡瀬雄太(雪印乳業)(7)が73位、岡部孝信(雪印乳業)(2)が78位タイとなりました。
 国別成績は、オーストリア(4775)が1位、ドイツ(1817)が2位、ノルウェー(1814)が3位。 ドイツとノルウェーの点数差が小さく、順位の変動がいつあってもおかしくない状況ですね。 日本(952)は一つ順位を落として7位となりました。

 [ワールドカップジャンプ全日程]


■FISワールドカップスキージャンプ ザコパネ大会■2010年2月2日更新
 開催地はポーランドのザコパネ。 毎年札幌でW杯が行われる前の週に試合が行われてきた町ですが、今年は札幌の後に試合が行われます。 日本チームはこの大会に参加していません。

●1月23日 ザコパネ(ポーランド) 第17戦 ラージヒル HS134 / K120 [リザルト]
 この日の天候は曇り。 気温、雪温とも-12.0℃とかなり冷え込んだようです。 風速は-0.66〜0.33m/sと記録されています。
 優勝したのはグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)。 1stラウンドで138.0m、2ndラウンドでも133.0mを飛び、いずれのラウンドでもトップのポイントで完勝しました。 2位はシモン・アマン(SUI)、3位はトマス・モルゲンシュテルン(AUT)でした。

●1月24日 ザコパネ(ポーランド) 第18戦 ラージヒル HS134 / K120 [リザルト]
 大会二日目の天候は快晴。 気温は-6.0℃、雪温は-11.0℃、風速は前日より少し強くなって-1.54〜-0.25m/sです。
 この日の優勝も前日と同じくグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)。 140.0mと134.5mを飛んでザコパネ大会連勝です。 2位はシモン・アマン(SUI)、3位はトマス・モルゲンシュテルン(AUT)と、上位3名が二日続けて同じという珍しい結果になりました。


■FISワールドカップスキージャンプ 札幌大会■2010年1月22日更新
 毎年1月下旬から2月上旬にかけての時期に行われてきた札幌大会ですが、今年はスケジュールが少し早まって1月中旬の開催となりました。 2月にオリンピックが開催されることもスケジュール変更に影響していたのでしょうか。 一年で最も寒くなる時季の試合となりました。 日本チームは、既にオリンピック代表の座を決めている主力選手5名の他に、開催国枠を使って7名の選手をエントリーし、より多くのワールドカップポイントの獲得を目指します。 今大会に参加した日本人選手は以下の通りです。

 伊東大貴(雪印乳業)/葛西紀明(土屋ホーム)/栃本翔平(雪印乳業)/竹内択(北野建設)/岡部孝信(雪印乳業)/
 湯本史寿(東京美装)/船木和喜(フィットスキー)/吉岡和也(土屋ホーム)/坂野幸夫(雪印乳業)/渡瀬雄太(雪印乳業)/
 東輝(日本空調サービス)/作山憲斗(北野建設)

 今年も札幌に赴いて2試合とも観戦してきました。

●1月16日 札幌/大倉山(日本) 第15戦 ラージヒル HS134 / K120 [リザルト] [フォトレポート]
 ナイトゲームで行われる第15戦。 初めのうちは雪がちらついていましたが、試合中盤からはその雪も止みました。 移動性低気圧の通過の影響で冷たい北風が吹き付け、気温は-9.7〜-9.9℃とかなり冷え込みました。 雪温は-9.7〜-10.0℃、風速は0.00〜2.38m/sでした。 強豪選手に合わせたゲート設定のため、カンテスピードは最高でも89km/h未満と低く抑えられましたが、大倉山特有の向かい風に当たればヒルサイズを大きく越えることも可能です。
 優勝したのはトマス・モルゲンシュテルン(AUT)。 1stラウンドでは131.5mを飛んで3位につけ、2ndラウンドでも131.0mと安定した飛距離をマークして逆転優勝しました。 2位は2ndラウンドで136.5mのビッグジャンプを見せたアンドレアス・ヴァンク(GER)。 3位は133.0mと128.0mを飛んだ伊東大貴(雪印乳業)でした。 伊東は今シーズン二度目の表彰台です。 1stラウンドで135.5mを飛んでトップに立っていた葛西紀明(土屋ホーム)は、2ndラウンドで風の条件に恵まれず、6位に順位を下げてしまいました。
 この他の日本人選手の成績は、栃本翔平(雪印乳業)が7位、湯本史寿(東京美装)が12位、竹内択(北野建設)が15位、坂野幸夫(雪印乳業)が20位、作山憲斗(北野建設)が21位タイ、渡瀬雄太(雪印乳業)が24位、吉岡和也(土屋ホーム)が28位、岡部孝信(雪印乳業)が29位となりました。 38位の船木和喜(フィットスキー)と43位の東輝(日本空調サービス)は2ndラウンドに進むことができませんでした。

●1月17日 札幌/大倉山(日本) 第16戦 ラージヒル HS134 / K120 [リザルト] [フォトレポート]
 日曜日の朝に行われた第16戦。 総長から激しく振り続けた雪は9時の予選ラウンド開始前には小降りになり、その後急速に天候は回復して、本戦が行われる時間帯は快晴且つ風も穏やかで絶好のジャンプ日和となりました。 気温は-6.3℃、雪温は-5.7〜-5.5℃、風速は-0.27〜1.11m/sで、ここ数年のW杯札幌大会の試合の中では最良の条件となりました。
 優勝したのはシモン・アマン(SUI)。 1stラウンドで139.5mを飛んで断トツの首位に立ち、2ndラウンドでもただ一人ヒルサイズを越える135.0mを飛んで圧勝しました。 2位は131.0mと123.0mを飛んだ葛西紀明(土屋ホーム)、3位は1stラウンドで136.0mを飛んだマルティン・コッホ(AUT)でした。 葛西は今シーズン初めての表彰台です。
 この他の日本人選手の成績は、伊東大貴(雪印乳業)が118.5mと120.5mを飛んで6位に入賞、竹内択(北野建設)が10位、湯本史寿(東京美装)が15位、栃本翔平(雪印乳業)が17位タイ、坂野幸夫(雪印乳業)が25位、吉岡和也(土屋ホーム)が26位タイでした。 34位の船木和喜(フィットスキー)と42位の岡部孝信(雪印乳業)、44位の作山憲斗(北野建設)は、2ndラウンドに進むことができませんでした。
 この試合でトマス・モルゲンシュテルン(AUT)が2ndラウンドのジャンプで失格となり、当初2位だった順位が30位となってしまいました。 飛び終わった後に行われるジャンプスーツのチェックの際に、チェックをする前にスーツを脱ぎかけてしまったことが原因のようです。

 札幌大会を終えて個人総合成績は、シモン・アマン(SUI)(939)が1位、2位はグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)(796)、3位はアンドレアス・コフラー(AUT)(587)となりました。 日本人選手は伊東大貴(雪印乳業)(324)が10位で予選免除のシード権を獲得。 葛西紀明(土屋ホーム)(264)が14位、栃本翔平(雪印乳業)(124)が25位、竹内択(北野建設)(54)が39位タイ、湯本史寿(東京美装)(41)が41位タイ、坂野幸夫(雪印乳業)(17)が58位タイ、作山憲斗(北野建設)(10)が66位タイ、吉岡和也(土屋ホーム)(8)が68位タイ、渡瀬雄太(雪印乳業)(7)が70位、岡部孝信(雪印乳業)(2)が75位タイとなりました。
 国別成績は、オーストリア(3643)が1位、ドイツ(1387)が2位、ノルウェー(1155)が3位となりました。 今大会でのアマンの活躍でスイス(1152)が4位に浮上し、3位のノルウェーに迫ってきています。 日本(901)は一つ順位を上げて6位となりました。

 ワールドカップの次の試合は、ポーランドのザコパネで行われます。[ワールドカップジャンプ全日程]



 現地で観戦してきた感想を少しだけまとめておきます。 2月に控えたオリンピックの効果か、観客の多くの人がオリンピック代表選手の成績に特に注目していたかと思われます。 前週の国内公式戦で抜群の強さを見せた葛西が、アマンやモルゲンシュテルン、コッホら強豪選手とどこまで対等に渡り合えるのか、伊東がどこまで復調してきているのか、そして代表に選ばれながら腰痛で自分のジャンプができない状態の岡部が現在どのような状態なのか。 既にマスコミで様々な情報が報道されているので、観客もその辺りの状況をよく知っていて、応援にもそれがよく現れていました。 スキージャンプ競技が身近なものとして生活に根付いている、北海道ならではの応援であったと思います。

 2試合を終えてリザルトを総括してみると、アマンとモルゲンシュテルンの強さが突出していました。 実力的にはこの両名に肉薄しているはずのコッホは、若干調子を落としてしまったのか、アマンらを上回る成績を残すことができませんでした。 ワールドカップ総合成績の上位にいるこの3名は、大倉山の難しい条件でも順当に飛距離を伸ばしてきており、実力の高さを伺うことができました。

 日本勢では葛西の安定感が相変わらず健在でした。 第15戦の2ndラウンドで不運にも風の条件が悪化して飛距離を落としましたが、2日間6本のジャンプがいずれも全くブレがなく、観客席から見ていても安心感があります。 体調不良による不調が伝えられていた伊東は、今大会ではだいぶ復調してきたようで、低速無風の悪条件でも大崩れしません。 今後更に調整を進めれば、オリンピックが始まるまでに葛西に並ぶ頼もしい戦力になってくれることでしょう。

 それ以外の選手を見ると、栃本や湯本、竹内らに少しずつ復調の兆しが見えてきていますが、現状では葛西や伊東との力の差が大きく開いています。 葛西・伊東の2強に対し、それ以外の選手の力がかけ離れすぎている状態で、チームとしての戦力にまだまだ不安を覚えます。 オリンピックの目標として団体戦のメダルが挙げられるかと思いますが、4人目の選手はおろか3人目の選手にすら不安がある現状では、相当厳しい戦いを強いられることは間違いありません。

 余談ですが、モルゲンシュテルンのスーツ規定違反による失格は興ざめでした。いいジャンプをしていたのに、もったいない。


■FISワールドカップスキージャンプ タウプリッツ大会■2010年1月19日更新
 ジャンプ週間が終わってすぐに行われた今シーズン初のフライングヒル個人戦。 バートミッテルンドルフのクルムのシャンツェで2試合を行いました。 日本チームは調整のために帰国しており、この大会には参加していません。

●1月9日 タウプリッツ/バートミッテルンドルフ(オーストリア) 第13戦 フライングヒル HS200 / K185 [リザルト]
 この日の天候は雪。 気温h-2.0℃、雪温は-3.7℃、風速は0.36〜0.93m/sでした。 雪の降り方は軽微なものだったようです。
 優勝はロベルト・クラニェチ(SLO)。 1stラウンドで195.0mを飛んで2位につけ、2ndラウンドでは200.0mまで飛距離を伸ばして逆転優勝しました。 2位はシモン・アマン(SUI)、3位はマルティン・コッホ(AUT)でした。

●1月10日 タウプリッツ/バートミッテルンドルフ(オーストリア) 第14戦 フライングヒル HS200 / K185 [リザルト]
 この日の天候も僅かな雪。試合が進むにつれ降り止んだようです。 気温は-3.4℃、雪温は-3.9℃、風速は0.48〜1.16m/sでした。前日よりも少し風が強くなっています。
 優勝はグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)。 1stラウンドで203.5m、2ndラウンドでは205.0mを跳び、ただ一人400ポイントを上回って完勝しました。 2位は前日の勝者ロベルト・クラニェチ(SLO)。3位はハリ・オッリ(FIN)でした。

 [ワールドカップジャンプ全日程]


■4Schanzentournee(ジャンプ週間)■2010年1月10日更新
 2009−2010シーズンの最初の山場、年末年始恒例のジャンプ週間の結果をまとめておきます。 試合は、第3戦のインスブルック大会以外はノックアウト方式で行われました。

●12月29日 オーベルシュトドルフ(ドイツ) 第9戦 ラージヒル HS137 / K120 [リザルト]
 雨に祟られた今季のジャンプ週間。 緒戦のオーベルシュトドルフから雨でした。 気温は2.0〜4.5℃、雪温-2.5℃、風速は-1.98〜0.00m/s。 今年のヨーロッパは大寒波の襲来があったと聞いているのですが、場所によってはこんなに気温が高いんですね。
 優勝はアンドレアス・コフラー(AUT)。 1stラウンドで125.0mを飛んでトップに立ち、2ndラウンドでも134.0mまで飛距離を伸ばして逃げ切りました。 2位はヤンネ・アホネン(FIN)。3位はトマス・モルゲンシュテルン(AUT)でした。 今シーズン現役復帰を果たしたアホネンが、ここに来てしっかり調子を上げてきていますね。さすがです。
 日本勢は葛西紀明(土屋ホーム)が115.5mと123.0mを飛んで13位に入ったのが最高。 伊東大貴(雪印乳業)も健闘して14位に食い込んでいます。 以下、竹内択(北野建設)は34位、栃本翔平(雪印乳業)は48位で、2ndラウンドに進むことができませんでした。

●1月1日 ガルミッシュ・パルテンキルヘン(ドイツ) 第10戦 ラージヒル HS140 / K125 [リザルト]
 元日のガルミッシュも天気は良くありません。 本戦は辛うじて曇りでしたが、予選では雨に降られています。 本戦開催時の気温は4.0℃、雪温は-5.4〜-4.7℃、風速は-0.37〜0.33m/sでした。
 優勝したのはグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)。 1stラウンドで136.5m、2ndラウンドでも137.5mまで飛距離を伸ばしての優勝です。 2位はヴォルフガング・ロイツル(AUT)、3位はシモン・アマン(SUI)でした。
 日本勢で本戦に進んだのは3名のみ。 ガルミッシュの台に相性がいい葛西紀明(土屋ホーム)が127.0mと133.0mを飛んで13位に食い込んで底力をアピール。 伊東大貴(雪印乳業)は24位に入ってワールドカップポイントを獲得しました。 竹内択(北野建設)は42位で2ndラウンドに進むことができませんでした。

●1月3日 インスブルック(オーストリア) 第11戦 ラージヒル HS130 / K120 [リザルト]
 インスブルック大会は、本戦前日に行われる予定の予選が中止になった都合で、ノックアウト方式ではなく通常の試合形式で行われました。 この日の天候は曇り、気温は-3.0℃、雪温は-4.0〜-5.0℃、風速は-0.50〜1.48m/sでした。
 優勝はこの日もグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)。 130.0mと122.0mを飛んでの完勝です。 2位はシモン・アマン(SUI)、3位はヤンネ・アホネン(FIN)でした。
 日本勢は葛西紀明(土屋ホーム)が122.0mと117.0mを飛んで9位に入る健闘を見せました。 昨シーズンのインスブルック大会に続いてのシングルです。 以下、伊東大貴(雪印乳業)が13位、竹内択(北野建設)が27位と続きます。 栃本翔平(雪印乳業)は40位で2ndラウンドに進むことができませんでした。

●1月6日 ビショフスホーフェン(オーストリア) 第12戦 ラージヒル HS140 / K125 [リザルト]
 最終戦のビショフスホーフェン大会。 天候は曇り、気温は-2.0〜-4.0℃、雪温は-3.5℃、風速は-0.27〜0.11m/sでした。
 優勝したのはトマス・モルゲンシュテルン(AUT)。 1stラウンドで133.0mを飛んで3位につけ、2ndラウンドでは136.0mを飛んで逆転しました。 2位はヤンネ・アホネン(FIN)。3位はシモン・アマン(SUI)でした。
 日本勢は葛西紀明(土屋ホーム)が121.5mと125.5mを飛んで19位に入ったのが最高。 伊東大貴(雪印乳業)は26位でした。 栃本翔平(雪印乳業)は48位、湯本史寿(東京美装)は50位で、2ndラウンドに進むことができませんでした。

 ジャンプ週間の総合成績をまとめてみます。
 1. Andreas Kofler (AUT)             1027.2
 2. Janne Ahonen (FIN)               1013.9
 3. Wolfgang Loitzl (AUT)            1011.6
 4. Gregor Schlierenzauer (AUT)      1011.1
 5. Simon Ammann (SUI)               1008.3
 6. Thomas Morgenstern (AUT)          987.1
 7. Pascal Bodmer (GER)               936.2
 8. Martin Koch (AUT)                 935.0
 9. Adam Malysz (POL)                 932.9
10. Anders Jacobsen (NOR)             927.5
11. 葛西紀明 (土屋ホーム)             914.6
12. Harri Olli (FIN)                  884.7
13. 伊東大貴 (雪印乳業)               881.4
14. Robert Kranjec (SLO)              864.8
15. Stefan Thurnbichler (AUT)         849.5
42. 竹内拓 (北野建設)                 394.6
51. 栃本翔平 (雪印乳業)               233.7
63. 湯本史寿 (東京美装)                45.7


 ビショフスホーフェン大会を終えて個人総合成績は、1位がシモン・アマン(SUI)(669)、2位がグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)(651)、3位がアンドレアス・コフラー(AUT)(521)です。 日本勢は、伊東大貴(雪印乳業)(224)が11位、葛西紀明(土屋ホーム)(144)が18位、栃本翔平(雪印乳業)(74)が24位、竹内択(北野建設)(12)が48位タイとなっています。 国別成績は、1位がオーストリア(2804)、2位がドイツ(1057)、3位がノルウェー(990)です。日本(507)は順位変わらず7位です。

 日本チームはジャンプ週間を終えて一時帰国し、オリンピック代表選考と調整に臨みます。 ワールドカップは更に転戦が続き、次はオーストリアのタウプリッツ/バートミッテルンドルフでフライングヒル個人戦が2戦行われます。[ワールドカップジャンプ全日程]


■FISワールドカップスキージャンプ エンゲルベルク大会■2009年12月24日更新
 リレハンメル大会の次週にチェコのハラホフで予定されていた大会は、これも天候不順で試合が中止となりました。 ハラホフ大会の次週にスイスのエンゲルベルクで開催された大会では、その代替試合として1試合を追加して、計3試合が行われました。

●12月18日 エンゲルベルク(スイス) 第7戦 ラージヒル HS137 / K125 [リザルト]
 当初は公式練習と予選のみの予定だった1日目ですが、第7戦としてスケジュールが組まれました。 この日の天候は曇り、気温は-6.2〜-6.1℃、雪温は-6.2〜-6.1℃、風速は-0.19〜0.60m/sでした。
 優勝したのはシモン・アマン(SUI)。 1stラウンドでは137.5m、2ndラウンドでは133.0mを飛び、どちらのラウンドもトップのポイントで逃げ切りました。 2位はグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)、3位はトマス・モルゲンシュテルン(AUT)でした。
 日本勢は伊東大貴(雪印乳業)が公式練習と予選から好調。 本戦でも126.0mと127.5mを飛んで6位に入賞しました。 以下、葛西紀明(土屋ホーム)が13位、栃本翔平(雪印乳業)が23位でした。 竹内択(北野建設)は49位で2ndラウンドに進むことができませんでした。

●12月19日 エンゲルベルク(スイス) 第8戦 ラージヒル HS137 / K125 [リザルト]
 この日の天候は雪。 気温は-6.8〜-8.2℃、雪温は-5.9℃、風速は-1.36〜0.64m/sでした。
 優勝したのはグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)。 137.0mと130.0mを飛び、2位とわずか1ポイント差での優勝です。 2位はシモン・アマン(SUI)、3位はアンドレアス・コフラー(AUT)でした。
 日本勢では伊東大貴(雪印乳業)が125.0mと131.0mを飛んで5位に入賞。 前日から一つ順位を上げました。 以下、葛西紀明(土屋ホーム)が15位、栃本翔平(雪印乳業)が24位タイでした。 竹内択(北野建設)は35位で2ndラウンドに進むことができませんでした。

●12月20日 エンゲルベルク(スイス) 第9戦 ラージヒル HS137 / K125 [リザルト]
 大会3日目の第9戦は1stラウンドのみの結果で順位が確定しました。 天候は曇り、気温は-8.2℃、雪温は-9.2℃、風速は-1.14〜0.66m/sでした。
 優勝は141.0mを飛んだシモン・アマン(SUI)。 これでエンゲルベルク大会3戦2勝です。 2位は138.0mのビョルン・アイナー・ルメレン(NOR)、3位は134.5mの伊東大貴(雪印乳業)でした。 伊東は今シーズン日本人選手初の表彰台です。
 以下、栃本翔平(雪印乳業)が25位タイ、竹内択(北野建設)が27位タイでした。 葛西紀明(土屋ホーム)は35位、湯本史寿(東京美装)は49位で、ワールドカップポイント獲得はなりませんでした。

 エンゲルベルク大会を終えて、個人総合成績は、1位がシモン・アマン(SUI)(424)、2位がグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)(382)、3位がビョルン・アイナー・ルメレン(NOR)(279)です。 日本勢は、伊東大貴(雪印乳業)(174)が9位、栃本翔平(雪印乳業)(74)が20位、葛西紀明(土屋ホーム)(63)が22位、竹内択(北野建設)(8)が45位タイとなっています。 国別成績は、1位がオーストリア(1610)、2位がドイツ(845)、3位がノルウェー(694)、日本(372)は7位です。

 次の試合から ジャンプ週間(4Schanzentournee)が始まります。 12月29日にオーベルシュトドルフ(ドイツ)、1月1日にガルミッシュ・パルテンキルヘン(ドイツ)、1月3日にインスブルック(オーストリア)、1月6日にビショフスホーフェン(オーストリア)というスケジュールで、ラージヒル個人戦が4試合行われます。[ワールドカップジャンプ全日程]


■FISワールドカップスキージャンプ リレハンメル大会■2009年12月24日更新
 ワールドカップ第3戦及び第4戦は、当初ノルウェーのトロンハイムで予定されていましたが、タイムスケジュールはそのまま、開催地が急遽リレハンメルに変更されました。 HS138のラージヒルで個人戦が2戦行われました。

●12月5日 リレハンメル(ノルウェー) 第3戦 ラージヒル HS138 / K123 [リザルト]
 この日の天候は雪。 気温-0.9℃、雪温-4.3〜-4.0℃、風速は-0.27〜0.45m/s。 雪がジャンプに影響していたのか、リザルトを見ると2本のジャンプをきちんと揃えられている選手が少ないように見受けられます。
 優勝はグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)。 1stラウンドでは125.5mで6位につけ、2ndラウンドではヒルサイズを上回る141.0mをマークして逆転しました。 2位はトマス・モルゲンシュテルン(AUT)、3位はアダム・マリシュ(POL)でした。
 日本勢はこの日は低調。 湯本史寿(東京美装)が辛うじて28位に入りましたが、その他に2ndラウンドに進めた選手はおらず、伊東大貴(雪印乳業)は45位、葛西紀明(土屋ホーム)は49位、栃本翔平(雪印乳業)は50位でした。

●12月6日 リレハンメル(ノルウェー) 第4戦 ラージヒル HS138 / K123 [リザルト]
 この日の天候は曇り。 気温は1.0℃、雪温は-3.2℃、風速は0.02〜0.42m/sでした。
 優勝はシモン・アマン(SUI)。 1stラウンドで146.0mのヒルレコードを記録してトップに立ち、2ndラウンドも129.5mとまとめて逃げ切りました。 2位はハリ・オッリ(FIN)。3位はエマヌエル・シェダル(FRA)でした。 4位に入賞したグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)は、1stラウンドでヒルレコードを大幅に上回る150.5mを飛びましたが、転倒したためポイントが伸びず、優勝することができませんでした。
 日本勢は栃本翔平(雪印乳業)が128.5mと115.0mを飛んで18位に入ったのが最高。 葛西紀明(土屋ホーム)は30位でした。 岡部孝信(雪印乳業)は33位タイ、竹内択(北野建設)は39位で、この2名は2ndラウンドに進むことができませんでした。

 ([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISワールドカップスキージャンプ クーサモ大会■2009年11月29日更新
 冬のワールドカップのシーズンがやってきました。 今年も開幕戦はフィンランドのクーサモで、クロスカントリー及びコンバインド競技と一緒にオープニングイベントとして開催されます。 今年は2月に冬季オリンピックを控えているので、その時までにどのように調整を進めてコンディションを整えていくかが重要です。 一昨年のシーズンで引退したヤンネ・アホネン(FIN)も競技に復帰して、開幕戦から熱い真剣勝負が繰り広げられます。

 日本チームはこのピリオドで以下の6名の選手を派遣しています。

 ・葛西紀明(土屋ホーム)
 ・湯本史寿(東京美装)
 ・岡部孝信(雪印乳業)
 ・伊東大貴(雪印乳業)
 ・栃本翔平(雪印乳業)
 ・竹内択(北野建設)

●11月27日 クーサモ(フィンランド) 第1戦 ラージヒル団体 HS142 / K120 [リザルト]
 開幕緒戦は団体戦です。 風の条件が厳しいことでは有名なシャンツェですが、今大会でも前日の個人戦予選がキャンセルされるなど、相変わらず選手達を悩ませているようです。 団体戦はナイトゲームでの開催。 天候は若干の降雪。気温は0.5〜0.0℃とこの時期にしては相当暖かいでしょうか。 雪温は-4.0℃、風速は-1.34〜0.80m/sでした。
 優勝したのはオーストリア(ロイツル/コフラー/シュリーレンツァウァー/モルゲンシュテルン)。 シュリーレンツァウァーが2ndラウンドで失敗したものの、その他はどのジャンプも130mを越え、貫禄の勝利です。 2位はドイツ(ウアマン/ノイマイヤー/ボドマー/シュミット)、3位はフィンランド(M.ハウタマキ/ケイツリ/オッリ/アホネン)でした。 日本(伊東/竹内/栃本/葛西)は全般的に飛距離が伸び悩み、8位に終わりました。

●11月28日 クーサモ(フィンランド) 第2戦 ラージヒル HS142 / K120 [リザルト]
 この日は個人戦。 天候は曇り、気温は1.0℃、雪温は-4.0℃、風速は-1.59〜0.60m/s。 この時期のフィンランドは-10℃を大きく下回るのが常だというイメージがあるのですが、ここ数年は暖冬の影響なのか気温が相当に高めです。 この日も氷点下にすらなっておらず、元々風の条件が厳しいシャンツェなのに、雪のコンディションを整えるのもかなり難しいのではないかと想像します。

 この日の優勝はビョルン・アイナー・ルメレン(NOR)。 1stラウンドで139.5mを飛んでトップに立ち、2ndラウンドでも139.0mまで飛距離を伸ばして逃げ切りました。 開幕大会でノルウェー人選手が優勝したのは、2003−2004シーズンのクーサモ大会第2戦(シグール・ペテルセン)以来6シーズンぶりのことです。 2位はドイツの新鋭パスカル・ボドマー(GER)、3位はヴォルフガング・ロイツル(AUT)でした。 昨シーズン個人総合優勝したグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)は精彩を欠き19位、競技復帰で注目されたヤンネ・アホネン(FIN)は34位で2ndラウンドに進むことができませんでした。
 日本勢は栃本翔平(雪印乳業)が135.5mと136.0mを飛んで6位に入賞。 伊東大貴(雪印乳業)は9位、予選トップだった葛西紀明(土屋ホーム)は10位と、上位10位以内に3名が食い込む健闘を見せました。 以下、竹内択(北野建設)は27位、湯本史寿(東京美装)は2ndラウンドに進めず37位に終わりました。

 クーサモ大会を終えて、個人総合成績は第2戦の順位そのまま。 国別成績は、1位がオーストリア(558)、2位がドイツ(516)、3位がフィンランド(345)です。 個人戦で健闘した日本は、団体戦の成績が影響して149ポイントの8位です。

 次の試合はノルウェーのトロンハイムで行われる予定でしたが、開催地がリレハンメルに変更されました。 12月5日〜6日の日程で、ラージヒル個人戦が2戦行われる予定です。([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISグランプリスキージャンプ クリンゲンタール大会■2009年10月5日更新
 サマージャンプのグランプリシリーズはこの試合が最終戦です。 前の白馬大会で活躍した葛西紀明(土屋ホーム)と伊東大貴(雪印乳業)は参加しませんでしたが、諸外国の各チームはエース級の選手を投入してきているところが多く、サマーシーズンの締めくくりとしてレベルの高い試合が行われた模様です。

●10月3日 クリンゲンタール(ドイツ) 第9戦 ラージヒル HS140 / K125 [リザルト]
 この日の天候は曇り。 気温は10.2〜10.7℃、風速は-0.72〜1.71m/s。 10月初旬とはいえ、かなり肌寒い気温ですね。
 優勝したのはグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)。 1stラウンドで136.5mを飛んで2位につけ、2ndラウンドでは140.5mまで飛距離を伸ばして逆転優勝しました。 2位は1stラウンドでトップに立っていたロベルト・クラニェチ(SLO)、3位はハリ・オッリ(FIN)でした。
 日本人選手では、竹内択(北野建設)が128.0mと125.0mを飛んで16位に入ったのが最高でしたが、他の選手は2ndラウンドに進むことができませんでした。 以下、湯本史寿(東京美装)は31位タイ、栃本翔平(雪印乳業)が43位タイ、船木和喜(フィットスキー)が46位、作山憲斗(北野建設)が48位でした。

 今年のグランプリシリーズの個人総合成績は以下のようになりました。
 1. Simon Ammann (SUI)              537
 2. Robert Kranjec (SLO)            477
 3. Adam Malysz (POL)               294
 4. Denis Kornilov (RUS)            293
 5. Gregor Schlierenzauer (AUT)     280
 6. Harri Olli (FIN)                275
 7. 伊東大貴 (雪印乳業)             251
 8. Anders Jacobsen (NOR)           241
 9. Bjoern Einar Romoeren (NOR)     232
10. 葛西紀明 (土屋ホーム)           217
11. Roman Koudelka (CZE)            210
12. Tom Hilde (NOR)                 207
13. 湯本史寿 (東京美装)             192
14. Johan Remen Evensen (NOR)       169
15. 竹内択 (北野建設)               165
16. Emmanuel Chedal (FRA)           143
17. Lukas Mueller (AUT)             129
18. David Zauner (AUT)              102
19. Manuel Fettner (AUT)             98
20. Georg Spaeth (GER)               89
21. Mitja Mezner (SLO)               81
21. Kenneth Gangnes (NOR)            81
23. 船木和喜 (フィットスキー)        79
24. Martin Cikl (CZE)                75
25. 栃本翔平 (雪印乳業)              74
26. Lukasz Rutkowski (POL)           72
27. Janne Happonen (FIN)             67
28. Sebastian Colloredo (ITA)        65
29. Akseli Kokkonen (NOR)            64
30. Andreas Wank (GER)               59
30. Michael Uhrmann (GER)            59
59. Robert Hrgota (SLO)              14
59. 作山憲斗 (北野建設)              14
59. Maciej Kot (POL)                 14
66. 岡部孝信 (雪印乳業)              11
66. Severin Freund (GER              11
73. 小山内佳彦 (東京美装)             3
73. Grzegorz Mietus (POL)             3

 また、国別成績は以下のようになりました。
 1. Norway                   1448
 2. Japan                    1156
 3. Austria                  1005
 4. Slovenia                  950
 5. Germany                   703
 6. Finland                   685
 7. Poland                    678
 8. Switzerland               585
 9. Czech Republic            400
10. Russian Federation        375
11. France                    143
12. Italy                      65
13. Korea                      44
14. United States of America   33
15. Slovakia                    2
16. Kazakhstan                  1

 今シーズンのワールドカップは、11月27日からお馴染みフィンランドのクーサモで始まります。 来年2月にオリンピックを控えて、いつにも増して緊張感の高いシーズンになるかと思います。 それまで約1ヶ月半、調整に残された時間は決して多くありません。 シーズンインに向けて、今から各選手の調整が始められます。

[ワールドカップジャンプ全日程]


■FISグランプリスキージャンプ 白馬大会■2009年9月5日更新
 毎年9月に開催されることが多かったグランプリシリーズの白馬大会は、今年は8月末の開催となりました。 過密なスケジュールで転戦が続いているために、ヨーロッパの強豪選手の多くは欠場しましたが、競技場には開場前から熱心なファンが入場町の行列を作り、例年と同様の盛り上がりとなりました。 日本チームは 伊東大貴(雪印乳業)/葛西紀明(土屋ホーム)/湯本史寿(東京美装)/竹内択(北野建設)/栃本翔平(雪印乳業)/岡部孝信(雪印乳業)/船木和喜(フィットスキー)/渡瀬雄太(雪印乳業)/坂野幸夫(雪印乳業)/梅崎慶大(雪印乳業)/小山内佳彦(東京美装)/作山憲斗(北野建設) の12名の選手をエントリーしました。 今大会も、現地に観戦に行って参りました。

●8月29日 白馬(日本) 第7戦 ラージヒル HS131 / K120 [リザルト] [フォトレポート]
 ナイトゲームで行われた白馬大会初戦。 この日の天候は曇り。気温は18.7〜18.6℃、風速は-0.83〜1.31m/s。 白馬の夜の時間としては若干強めの風がありましたが、競技に大きな影響はありませんでした。
 優勝したのは葛西紀明(土屋ホーム)。 1stラウンドで123.5mを飛んでトップに立ち、2ndラウンドでは127.5mまで飛距離を伸ばして逃げ切りました。 2位は121.5mと126.5mを飛んだ湯本史寿(東京美装)、3位は2ndラウンドに白馬の夏のヒルレコードとなる136.0mを飛んだシモン・アマン(SUI)が入りました。
 その他の日本勢も健闘しました。 船木和喜(フィットスキー)は123.5mと126.5mを飛んで4位に、竹内択(北野建設)は116.5mと123.5mで5位に、それぞれ入賞しました。 以下、伊東大貴(雪印乳業)は7位、栃本翔平(雪印乳業)は13位、作山憲斗(北野建設)は17位、小山内佳彦(東京美装)は28位、岡部孝信(雪印乳業)は30位となりました。
 渡瀬雄太(雪印乳業)は33位で2ndラウンドに進めませんでした。 坂野幸夫(雪印乳業)と梅崎慶大(雪印乳業)は予選を通過することができませんでした。

●8月30日 白馬(日本) 第8戦 ラージヒル HS131 / K120 [リザルト] [フォトレポート]
 白馬大会2戦目もナイトゲームで行われました。 この日も前日と同じような曇りの天候でしたが、予選ラウンドと1stラウンドでは細かい雨が霧雨のように落ちていました。 気温は16.7〜16.3℃、風速は-0.39〜0.84m/sで、前日よりも風が落ち着いて条件は良かった模様です。
 この日の優勝はロベルト・クラニェチ(SLO)。 1stラウンドで131.5mを飛んでトップに立ち、2ndラウンドでも129.5mとまとめて逃げ切りました。 2位は134.0mと127.5mを飛んだ伊東大貴(雪印乳業)、3位はシモン・アマン(SUI)でした。
 前日優勝した葛西紀明(土屋ホーム)は127.0mと123.0mを飛んで4位に、前日2位だった湯本史寿(東京美装)は124.5mと129.0mで5位に、前日5位だった竹内択(北野建設)は122.0mと124.0mで6位に、それぞれ入賞しました。 以下、船木和喜(フィットスキー)が9位、栃本翔平(雪印乳業)が10位で、この日の試合に参加した日本人選手6名は全員が10位以内に入る健闘を見せました。

 グランプリシリーズの個人総合成績は、1位がシモン・アマン(SUI)(537)、2位がロベルト・クラニェチ(SLO)(397)、3位がアダム・マリシュ(POL)(294)です。 日本勢は、伊東大貴(雪印乳業)(251)が4位、葛西紀明(土屋ホーム)(217)が7位、湯本史寿(東京美装)(192)が11位、竹内択(北野建設)(150)が14位、船木和喜(フィットスキー)(79)が21位、栃本翔平(雪印乳業)(74)が23位、作山憲斗(北野建設)(14)が56位タイ、岡部孝信(雪印乳業)(11)が62位タイ、小山内佳彦(東京美装)(3)が71位です。
 国別成績はノルウェー(1346)が依然としてトップ。 日本(1141)が2位に浮上して、3位がスロヴェニア(858)です。

 次の試合は今シーズンのグランプリシリーズ最終戦。 10月3日、ドイツのクリンゲンタールでラージヒル個人戦が予定されています。 ([ワールドカップジャンプ全日程]




 現地で観戦する者にとって、今大会の一番のポイントは、スタートゲートと風の条件をポイントで補正する新しいルールだったかと思います。 数字のデータで見ればなるほどと納得できても、その競技を生で見ている人がそれをどう受け止めるか、試合の展開にどのように影響するのか、私も皆目見当がつかない状態で観戦に臨みました。

 結論から言いますと、スタートゲートを選手やコーチ、またはジュリーの判断で臨機応変に変更できる点は、試合展開の中で選手同士の駆け引きが目に見えてわかるため、非常にスリリングでした。 ただし、ポイントに換算する「割合」が不明瞭なので、電光掲示板に最終結果が表示されるまでは何もわからないのが、大きな不満です。 これは風の条件の補正においても同じことが言えます。

 また、スタートゲートを変更するたびに試合は一時中断されるので、頻繁にゲートが変更されると試合の流れが極端に悪くなります。 実際に飛ぶ選手の立場からすれば、良い向かい風を無理に待つ必要が無くなるため、精神的に余裕を持てる選手もいることと思います。 このように一長一短あるシステムですが、それを上手く活かすことができれば、ジャンプの飛距離だけでなく「質」も数値で競うことができる可能性を秘めているのでは、と私は考えます。 最大の問題は「ポイント換算のわかりにくさ」ですから、見ている観客に「それが何故そのようなポイントになるか」を明確に説明(またはその場で表示)できる手立てをFISは考えるべきでしょう。


 今回は2試合とも夜遅い時間帯で行われるナイトゲームでした。 競技終了が21時半を過ぎ、表彰式を見てから撤収すると22時を回ろうかという時間になっていました 夜遅い時間帯で帰宅が厳しい人も多かったことでしょう。 おそらく、ヨーロッパでのテレビ放送時間との兼ね合いもあるのでしょうが、もう少し早い時間帯に競技が終えられるようなスケジュールを組んでくれたら、観戦も楽だったのにと思わざるを得ません。


■FISグランプリスキージャンプ ザコパネ大会■2009年8月27日
 4カ国のシャンツェを転戦する 4 Nations tournament が終わり、グランプリシリーズは「通常モード」に。 スケジュールの過密さを避けてこのザコパネ大会から参加するという選手もいるようです。 今年の春、器具の使用テスト中に転倒して大怪我をした、グレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)は、この大会から戦列に復帰しました。 日本チームは白馬大会に向けた調整のために帰国し、この大会には参加していません。

●8月22日 ザコパネ(ポーランド) 第5戦 ラージヒル HS134 / K120 [リザルト]
 ナイトゲームで行われた一日目。 天候は雨。気温は12.7〜12.5℃、風速は-0.08〜-0.83m/s。この時期にしてはかなり冷え込んでいますね。
 優勝したのは、グレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)。 1stラウンドで130.0mを飛んでトップに立ち、2ndラウンドでも132.0mまで飛距離を伸ばして危なげなく逃げ切りました。 復帰初戦を優勝してしまうところが、さすがとしか言いようがありません。 2位はヨハン・レメン・エヴェンセン(NOR)、3位はアダム・マリシュ(POL)でした。

●8月23日 ザコパネ(ポーランド) 第6戦 ラージヒル HS134 / K120 [リザルト]
 二日目の試合は夕方の開催。 それでも天候は雨、気温は11.0℃と、一日目よりも寒くなっています。 風速は-0.54〜1.56m/sと、少し強め。
 優勝はアンデルス・ヤコブセン(NOR)。 1stラウンドで136.5mを飛んでトップに立ち、2ndラウンドでも127.5mと上手くまとめて、今季初勝利です。 2位はグレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)、3位はヨハン・レメン・エヴェンセン(NOR)でした。 一日目に3位に入った地元のエース、アダム・マリシュ(POL)は、21位と奮いませんでした。

 グランプリシリーズの個人総合成績は、1位がシモン・アマン(SUI)(417)、2位がアダム・マリシュ(POL)(294)、3位がロベルト・クラニェチ(SLO)(257)です。 日本勢はポイントの加算がありませんので、順位の変動だけ。 伊東大貴(雪印乳業)(135)が12位、葛西紀明(土屋ホーム)(67)と湯本史寿(東京美装)(67)が17位タイ、竹内択(北野建設)(65)が19位タイ、栃本翔平(雪印乳業)(28)が37位、岡部孝信(雪印乳業)(10)が45位タイです。
 国別成績はノルウェー(1236)がトップ、2位がオーストリア(746)、3位がスロヴェニア(645)。 日本(522)は7位に後退しました。

 次の試合は日本の白馬で行われます。 8月28日〜30日の日程でラージヒル個人戦が2試合、どちらもナイトゲームで行われる予定です。 今年も現地に観戦に行って来ます。([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISグランプリスキージャンプ アインジーデルン大会■2009年8月17日
 4 Nations tournament 最終戦はスイスのアインジーデルンで行われました。 ここまで個人戦で連勝を続けてきているシモン・アマン(SUI)が地元の試合でも勝って「完全勝利」なるか否か、というところが見所です。

●8月16日 アインジーデルン(スイス) 第4戦 ラージヒル HS117 / K105 [リザルト]
 この日の天候は晴れ。気温は26.0〜24.0℃、風速は-0.49〜2.44m/s。試合はナイトゲームではなく昼間に行われました。

 この試合を制したのは、ビョルン・アイナー・ルメレン(NOR)。 1stラウンドで110.0mを飛んでトップに立ち、2ndラウンドでは105.5mまで飛距離を伸ばして逃げ切りました。 2位は111.5mと112.0mを飛んだ伊東大貴(雪印乳業)、3位はロベルト・クラニェチ(SLO)でした。
 日本勢はこの試合でも好成績を挙げ、葛西紀明(土屋ホーム)が113.5mと103.5mを飛んで5位に入賞、湯本史寿(東京美装)が12位と健闘しました。 岡部孝信(雪印乳業)は39位、竹内択(北野建設)は46位に終わりました。

 4 Nations tournament の最終結果は以下の通りです。
 1. Simon Ammann (SUI)               1024.1
 2. Adam Malysz (POL)                1002.0
 3. Denis Kornilov (RUS)              990.6
 4. Robert Kranjec (SLO)              980.8
 5. Harri Olli (FIN)                  979.4
 6. Sebastian Colloredo (ITA)         925.2
 7. Emmanuel Chedal (FRA)             913.5
 8. Mitja Meznar (SLO)                892.7
 9. Roman Koudelka (CZE)              864.8
10. 伊東大貴 (雪印乳業)               857.0
11. Tom Hilde (NOR)                   853.7
12. Lukas Mueller (AUT)               831.1
13. Bjoern Einar Romoeren (NOR)       821.5
14. Primoz Pikl (SLO)                 807.2
15. 竹内拓 (北野建設)                 803.0
24. 湯本史寿 (東京美装)               674.3
30. 葛西紀明 (土屋ホーム)             588.1
32. 栃本翔平 (雪印乳業)               547.5
43. 岡部孝信 (雪印乳業)               352.9

 グランプリシリーズの個人総合成績は、1位がシモン・アマン(SUI)(332)、2位がアダム・マリシュ(POL)(224)、3位がデニス・コルニロフ(RUS)(186)となっています。 日本勢は伊東大貴(雪印乳業)(135)が8位、葛西紀明(土屋ホーム)(67)と湯本史寿(東京美装)(67)が13位タイ、竹内択(北野建設)(65)が15位タイ、栃本翔平(雪印乳業)(28)が28位、岡部孝信(雪印乳業)(10)が41位タイです。
 国別成績はノルウェー(801)がトップ、2位がスロヴェニア(541)、3位が日本(522)です。

 次の試合はポーランドのザコパネで行われます。([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISグランプリスキージャンプ クーシュベル大会■2009年8月17日
 ドイツのヒンターツァルテンから始まり4カ国を転戦する 4 Nations tournament も後半。 個人第3戦はフランスのクーシュベルが舞台です。

●8月14日 クーシュベル(フランス) 第3戦 ラージヒル HS132 / K120 [リザルト]
 この日の天候は晴れ。 気温は24.8℃、風速は-2.18〜0.51m/s。この試合もナイトゲームで行われました。
 優勝はシモン・アマン(SUI)。 1stラウンドでトップに立つ128.0mを飛び、2ndラウンドでも123.5mと上手くまとめ逃げ切りました。 2位はアダム・マリシュ(POL)、3位はロマン・クデルカ(CZE)でした。
 日本勢は湯本史寿(東京美装)が127.5mと127.0mを飛んで5位に入賞したのが最高。 以下、伊東大貴(雪印乳業)が10位、竹内択(北野建設)が17位、岡部孝信(雪印乳業)が21位と続きました。

 ([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISグランプリスキージャンプ プラジェラート大会■2009年8月13日
 ヒンターツァルテン大会から始まったグランプリシリーズは、そのままジャンプ週間並みの強行軍で4カ国のシャンツェを転戦するシリーズに入ります。 第2戦はイタリアのプラジェラート。2006年トリノ冬季五輪の舞台となったシャンツェです。

●8月12日 プラジェラート(イタリア) 第2戦 ラージヒル HS140 / K125 [リザルト]
 この日の天候は快晴。 気温は22.0〜21.0℃、風速は0.93〜3.00m/sと、強い向かい風が終始吹き続けるコンディションだったようです。
 優勝したのはこの日もシモン・アマン(SUI)。 131.5mと131.0mを飛んで連勝しました。 2位はアダム・マリシュ(POL)、3位はエマヌエル・シェダル(FRA)でした。
 日本勢は124.0mのジャンプを2本揃えた竹内択(北野建設)が16位に入ったのが最高。 以下、栃本翔平(雪印乳業)が25位、葛西紀明(土屋ホーム)が31位、伊東大貴(雪印乳業)が35位、湯本史寿(東京美装)が41位でした。

 ([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISグランプリスキージャンプ ヒンターツァルテン大会■2009年8月13日
 海外ではいつものようにグランプリシリーズが開幕しました。 お馴染みとなったドイツのヒンターツァルテンで、団体戦と個人戦が1戦ずつ行われます。 今シーズンのグランプリシリーズでは、限定で風とスタートゲートの条件を数値化してポイントに加減し、成績に反映させる試みが行われます。 例えば、追い風で飛んだらポイント加算、向かい風ならポイント減算、飛びすぎを警戒してスタートゲートを下げて飛んだらポイント加算、という風にです。 今後正式に採用されるかどうかは不明ですが、テストケースとして今年のグランプリシリーズの結果は注目していきたいところです。

●8月8日 ヒンターツァルテン(ドイツ) 団体戦 ノーマルヒル HS108 / K95 [リザルト]
 初日は団体戦です。 この日の天候は芳しくなく、1stラウンドは雨、2ndラウンドでは曇り。 気温は17.5〜18.0℃、風速の記録はポイントの補正を考慮するため風向の区別もされていて、-0.99〜0.49m/sとなっています。
 優勝したのはノルウェー(ルメレン/ガングネス/ヤコブセン/ヒルデ)、2位はドイツ(ノイマイヤー/シュペート/ウアマン/シュミット)、3位はフィンランド(ニエミ/ハッポネン/オッリ/ケイツリ)でした。 日本チームは 伊東大貴/栃本翔平/竹内択/葛西紀明 のメンバーで臨み、6位に入賞しました。

●8月9日 ヒンターツァルテン(ドイツ) 第1戦 ノーマルヒル HS108 / K95 [リザルト]
 この日の天候は曇り、気温は22.0℃。 風速は-1.09〜1.38m/sと、前日より少し強めです。
 優勝したのはシモン・アマン(SUI)。 1stラウンドでは96.5mで7位と出遅れましたが、2ndラウンドでこの日の最長不倒距離となる110.0mを飛んで逆転優勝しました。 2位はアンデルス・ヤコブセン(NOR)、3位はデニス・コルニロフ(RUS)でした。
 日本勢は竹内択(北野建設)が95.0mと104.0mを飛んで7位に入ったのが最高。 イカ、伊東大貴(雪印乳業)が9位、葛西紀明(土屋ホーム)が12位、栃本翔平(雪印乳業)が36位、湯本史寿(東京美装)が47位でした。

 ([ワールドカップジャンプ全日程]


■国内公式戦(2009年7月)■2009年8月13日
 今年もサマージャンプが始まりました。 海外では7月からコンチネンタルカップが始まっていますが、まず国内で開催された主要大会の結果を簡単にまとめておきます。

●7月12日 第29回全日本サマージャンプ朝日大会
朝日三望台シャンツェ ミディアムヒル HS68 / K60

 成年組は雪印乳業と土屋ホームが参加しなかったため、大学生が中心の試合となりました。 優勝は61.5mと59.0mを飛んだ船木和喜(フィットスキー)、2位は長南翼(日本大)、3位は湯本史寿(東京美装)でした。
 少年組は細田将太郎(北海高)が、女子は渡瀬あゆみ(神戸クリニック)が、それぞれ優勝しました。

●7月18日 第27回札幌市長杯宮の森サマージャンプ大会
ノーマルヒル HS100 / K90

 A指定の選手も参加してほぼフルメンバーで行われた宮の森サマージャンプ。 成年組を制したのはこの日も船木和喜(フィットスキー)でした。 97.5mと99.5mを飛んで2連勝です。 2位は竹内択(北野建設)、3位は葛西紀明(土屋ホーム)でした。
 少年組は渡部弘晃(札幌日大高)が、女子は伊藤有希(下川中)が優勝しました。

●7月19日 第10回札幌市長杯大倉山サマージャンプ大会
ラージヒル HS134 / K120

 シーズン初の大倉山は大雨に祟られ、競技は1本のみで終わりました。 成年組の優勝は133.5mを飛んだ伊東大貴(雪印乳業)、2位は葛西紀明(土屋ホーム)、3位は岡部孝信(雪印乳業)でした。 ここまで連勝を重ねてきていた船木和喜(フィットスキー)は5位に終わりました。
 少年組は渡部弘晃(札幌日大高)が、女子は伊藤有希(下川中)が制して、どちらも2連勝です。


■2009−2010年 FISワールドカップスキージャンプ 日程■2010年3月24日更新
 2009〜2010年のFISワールドカップスキージャンプの日程です。今後変更される可能性もあります。

FISグランプリスキージャンプ
 2009.08.08 ヒンターツァルテン(GER)            HS108団体(ナイトゲーム)(◆)
 2009.08.09 ヒンターツァルテン(GER)            HS108(◆)
 2009.08.12 プラジェラート(ITA)                HS140(ナイトゲーム)(◆)
 2009.08.14 クーシュベル(FRA)                  HS132(ナイトゲーム)(◆)
 2009.08.16 アインジーデルン(SUI)              HS117(◆)
 2009.08.22 ザコパネ(POL)                      HS134(ナイトゲーム)(◆)
 2009.08.23 ザコパネ(POL)                      HS134(◆)
 2009.08.29 白馬(JPN)                          HS131(ナイトゲーム)(◆)
 2009.08.30 白馬(JPN)                          HS131(ナイトゲーム)(◆)
 2009.10.03 クリンゲンタール(GER)              HS140(ナイトゲーム)(◆)

FISワールドカップスキージャンプ
 2009.11.27 クーサモ(FIN)                      HS142団体(ナイトゲーム)
 2009.11.28 クーサモ(FIN)                      HS142(ナイトゲーム)
 2009.12.05 リレハンメル(NOR)                  HS138(ナイトゲーム)
 2009.12.06 リレハンメル(NOR)                  HS138
 2009.12.12 ハラホフ(CZE)                      HS142(ナイトゲーム)【中止】
 2009.12.13 ハラホフ(CZE)                      HS142【中止】
 2009.12.18 エンゲルベルク(SUI)                HS137
 2009.12.19 エンゲルベルク(SUI)                HS137
 2009.12.20 エンゲルベルク(SUI)                HS137

 4Schanzentournee〜ジャンプ週間
 2009.12.29 オーベルシュトドルフ(GER)          HS137(ナイトゲーム)
 2010.01.01 ガルミッシュ・パルテンキルヘン(GER)HS140
 2010.01.03 インスブルック(AUT)                HS130
 2010.01.06 ビショフスホーフェン(AUT)          HS140(ナイトゲーム)

 2010.01.09 バートミッテルンドルフ(AUT)        HS200
 2010.01.10 バートミッテルンドルフ(AUT)        HS200
  2010.01.16 札幌/大倉山(JPN)                 HS134(ナイトゲーム)
  2010.01.17 札幌/大倉山(JPN)                 HS134
 2010.01.22 ザコパネ(POL)                      HS134(ナイトゲーム)
 2010.01.23 ザコパネ(POL)                      HS134(ナイトゲーム)

 2010.01.30 オーベルシュトドルフ(GER)          HS213団体(▼)
 2010.01.31 オーベルシュトドルフ(GER)          HS213(▼)
 2010.02.03 クリンゲンタール(GER)              HS140(ナイトゲーム)(▼)
 2010.02.06 ヴィリンゲン(GER)                  HS145(ナイトゲーム)(▼)
 2010.02.07 ヴィリンゲン(GER)                  HS145団体(▼)

 2010バンクーバー冬季オリンピック
  2010.02.13 ウィスラーオリンピックパーク(CAN) HS106(◆)
  2010.02.20 ウィスラーオリンピックパーク(CAN) HS140(◆)
  2010.02.22 ウィスラーオリンピックパーク(CAN) HS140団体(◆)

 2010.03.06 ラハティ(FIN)                      HS130団体(ナイトゲーム)(▼)
 2010.03.07 ラハティ(FIN)                      HS130(▲)
 2010.03.09 クォピオ(FIN)                      HS127(ナイトゲーム)(▲)
 2010.03.12 リレハンメル(NOR)                  HS138(▲)
 2010.03.14 オスロ(NOR)                        HS134(▲)

 2010世界スキーフライング選手権
  2010.03.19 プラニツァ(SLO)                    HS215(◆)
  2010.03.20 プラニツァ(SLO)                    HS215(◆)
  2010.03.21 プラニツァ(SLO)                    HS215団体(◆)
HS … Hill Size
(◆)成績はワールドカップポイントに加算されません。
(▼)FISチームツアー
(▲)ノルディックトーナメント

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